歯みがきブログ
掲載日2018.01.30
更新日2018.01.30
【歯ブラシの歴史/第9回】植毛歯ブラシ誕生~ついに歯ブラシ!
植毛歯ブラシ誕生 ~ついに歯ブラシ
西洋では、植毛歯ブラシは、18世紀後半に英国人アディスという人物によって作られたのが始まりといわれております。当初は、骨の柄に穴を開けて自然毛を針金で留めたものが、現在の歯ブラシの初期形態と見られていました。英国で生まれた歯ブラシの考案者、ウイリアム・アディス(1734-1808)と言われていますが、彼について、詳しいことはあまりわかっていないらしい。
日本では、庶民に浸透した清掃用具である「歯木」が房楊枝という名で大正のころまで使われていました。現在のような歯ブラシは、明治初期に西洋文化とともに流入した西洋歯ブラシの模倣品を作製したことに始まるといわれています。つまり、現在みなさんが使っている歯ブラシは、もともとは輸入品なのです。
初めのころ、歯ブラシは製造されたが、歯ブラシ自体への関心は薄かったようです。歯ブラシが一般に普及し始めたのは、明治20年代のころで、清掃用具として完全に位置づけられたのは、もう少し後になってからでした。
ナイロン歯ブラシが誕生
一方、すべてが手工業であった歯ブラシ製造も、1884年(明治17年)ころ、綿撚車の回転を応用して、柄の穴あけが機械化されるようになりました。しかし、歯ブラシ生産の本格的な機械化、材料などの研究開発は、戦後になってからでした。また、歯ブラシの素材にナイロンが使われたのも、日本は戦後になってからです。
今では歯ブラシと言えばナイロン製に決まっていますが、そのナイロン製歯ブラシが誕生したのは62年前の今日 2 月24日でした。米国はニュージャージー州アーリントンのデュポン社の工場で、1938年 2 月24日、歯ブラシ用のナイロンの毛の生産が始まったという記録が残されています。
奇跡の繊維と呼ばれたナイロンは、長年の合成繊維開発への努力の末、Wallace H. Carothers(1896~1937)を中心としたデュポンの化学者たちによって1935年に発明されました。生糸のようにしなやかで光沢があり、はるかに丈夫なナイロンは、38年から本格的に大量生産されました。