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VIVA NEWS

掲載日2017.12.18

更新日2017.12.18

【歯ブラシの歴史/第5回】中世イスラムの習慣~ミスワークと歯ブラシ

口の中をきれいにしなさい


710年にイスラム教を設立したマホメットは、予言書の中で「口の中をきれいにしないさい。それはとりもなおさず神を讃えることである」と言っているのはご存知でしょうか。

 

イスラム教徒は、必ず、浄化の場所で、「ミスワーク」と呼ばれる木片で歯を磨きます。そのあと、仏教徒と同じように鼻や耳の穴を洗浄するのです。イスラムと歯磨きもかなり密接に関わってきました。歯ブラシは、サトウキビやユリの根や桜桃の木などで作られ、噛んで歯を磨いていたといわれています。

歯間部の食片を除去に、ナイフ・フォーク・指の爪


昔、アラブやイスラムの地に遠征したヨーロッパ十字軍の兵士たちは、イスラム教徒の歯磨習慣を目の当たりにして、「やつらは、ああして牙を磨き、俺たちに噛み付くつもりなんだ」と恐れたと言われています。つまり、歯磨き習慣は、ヨーロッパよりもイスラム圏の方が進んでいたのかもしれません。

一方、ヨーロッパでは、12~13世紀に至るまで、楊枝すら使っていなかったとされています。彼らは、歯間部の食片を除去するのに、ナイフ・フォーク・指の爪を用いておりました。なんと原始的な方法でしょうか。入浴が贅沢だった時代に、歯磨きが人々の気持ちの中に入り込む余地などなかったのでしょう。体を綺麗にしても、口の中を綺麗にすることに関心がないというのは、現代でも介護の現場では「口腔ケア」は後回しにされてしまい、似たようなものですが・・・。

 

世紀の発明、歯ブラシ


歯を磨くという習慣は、医学的な見地からではなく、信仰とともに起こったようです。人々は神に祈る前の身を清める作法の一つとして、歯口清掃を行なうことが多かったと言われています。

それは、まず「口を漱ぐ」ことに始まりました。口を漱ぎ、歯を摩擦するために、人々は歯磨剤を作り、「歯木」と呼ばれる木片で歯面をこそぎ、歯間部の食物残渣を取り除くために「爪楊枝」を作り出したのです。

その後、歯の衛生が最高に革新されたのは、中国での発明されました。豚や牛、馬の毛を抜き取り、その骨に直角に植え付けた、いわゆる歯ブラシにより、手の届きにくい隙間や部分を磨くことがついに可能になったのです。

2003年、米国人を対象に、自動車、パソコン、携帯電話、電子レンジ、それに歯ブラシの中から、それがないと生きていけない発明品は何かを尋ねる調査が実施されました。結果は、新しい発明品ほど順位が低かったのです。2位は、1世紀前に発明された自動車。トップは、5世紀前に発明された歯ブラシで、成人回答者の42%、10代の回答者の34%から票を獲得し、世紀の発明と言われるまでになりました。

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