VIVA NEWS
掲載日2017.12.04
更新日2017.12.13
【歯ブラシの歴史/第3回】歯と宗教との関わり。歯ブラシと宗教のルーツ。
日本人も含め、東洋の人々は楊枝(ようじ)を使う
歯に関することは、宗教とのかかわりも大きく、歯を磨くことと密接な関りがあるとご存知でしょうか。植え込み式の歯ブラシが発明されるまで、東洋の人々は楊枝(ようじ)を使っていました。日本人もそうです。江戸時代、いや大正時代もそうでした。理由は、仏教という宗教に関わりがあったのです。
インドが楊枝のルーツと言われますが、仏教をおこした釈迦は、あるとき弟子たちに木の枝で作った歯ブラシで歯を磨き、口の中、特に歯を清掃することの大切さを教えたと言われています。日本では仏教伝来と共に、楊枝はインド(歯木と呼んだ)からアフガン-中国-日本に伝わっていきました。はじめは宗教儀式の一環として僧侶や貴族など限られた人々だけが行っていました。その後、江戸時代になると庶民の間でも習慣化していきました。
「インドボタイジュ」とは
釈迦が木の枝を野原に投げると、その小枝から根が生じて大木となったという言い伝えがあります。人々はその力の大きさに驚き、その木を「インドボタイジュ」と名付けたのです。そして、その木の枝を取って、歯を磨くようになったと言われています。日本には、538年に仏教とともに歯木が伝わり、僧は仏前に礼拝する前に身を清めるために歯を磨きました。これが、歯磨き習慣の始まりです。
*仏教では極楽浄土に咲く花とされている
歯口清掃の起源は世界共通のものがあります。それは医学的な見地からでなく、信仰とともに起こったというのもが有力です。人々は、神に祈る前の身を清める作法のひとつとして、歯口清掃を行うことが多いようでした。それはまず「口を漱ぐ」ことに始まったのです。
仏教伝来ともに伝えられた「歯木」
釈迦の時代、口腔清掃の記録はインドの大医スシュルタの書いたスシュルタ本典(SusrSamhita)等に記載されています。スシュルタ本典には「蜜やある種の粉本で作った糊粉を歯木につけ、歯肉を傷をつけない様に歯を磨けば、不快な口臭や歯の汚れを落とす」と記されています。
釈迦は仏教経典の中でこれを歯木(しぼく)と言い、梵語でダンタ・カシュタ(danta-kasthta)と言う。 この時代の歯磨きは、歯を清め口中を爽快にすることが中心であったそうです。
使用方法:.先1cm位を石で叩いたり、歯で噛み砕くいたりしてボサボサにし、それを良く噛む。
効果:喉の通りをよくし、咳の緩和、舌の動きを活発にして食欲増進、傷を癒えやすくし、大腸を活発化にさせる。